令和7年度事業計画
昨年、日本経済は3月の日本銀行によるマイナス金利政策の解除や日経平均株価の最高値更新、大企業における旺盛な設備投資などにより回復基調を維持し、デフレ脱却に向け大きく前進した。しかしながら、物価の高騰は市民生活と企業経営に多大なる影響を与えた。特に中小企業者及び小規模事業者にとって、原材料価格及びエネルギー価格の上昇は経営に大きな打撃を与えるとともに、人材確保のため防衛的賃上げを余儀なくされた。また、地方にとってさらに深刻化する急激な人口減少は、市場の縮小と人手不足に拍車をかけている。
こうした中、令和7年度は、会員企業の諸課題克服に向け省力化、デジタル化による生産性向上、事業承継への対応など経営者の自己変革への挑戦を伴走支援する。
また、付加価値の高い地域観光とまちづくりの推進など実情を的確にとらえ関係機関とも連携し、柔軟に対応していく。
大曲の花火は、ここ2年間国際化の推進に注力してきた。人口減少の著しい当地におけるインバウンド観光による経済効果の誘発を見据え、再誘致開催を目指す国際花火シンポジウムの準備を本格化させる。また、4月12日に竣工を迎える宿泊施設「お宿Onn大曲の花火」については、通年で営業し、大曲のランドマークとして観光、ビジネスでの利用など幅広い活用に向け 関係機関・団体、民間事業者とも協議連携を進めいく。
〈基本方針〉
- 会員企業の自己変革による成長支援
- 「食」による観光振興・まちづくりの更なる推進
- 商工会議所の機能及び財政基盤強化
- 花火ブランドの強化・拡充
- 「お宿Onn大曲の花火」の利活用
- 「大曲の花火」の国際化の推進
本部事業部
会員企業の自己変革による成長支援
1.会員企業の自己変革・成長への支援
(1)労働力の確保と事業承継に関する支援
最低賃金の加速度的な上昇が想定される中、その対応策や労働力確保
M&Aを含む事業承継に関するマッチング支援を実施する。
- 労働力確保と賃金上昇に係る対応策に関するセミナーの開催
- 事業承継に関する意向調査の実施と関係機関と連携した承継支援
- 日本政策金融公庫の実施するM&Aを含む事業承継マッチングの周知と登録
(2)デジタル化に伴う省力化に対する実装支援
近年のデジタル化の進展を踏まえ、事業者の実態に即したメニューによりデジタル化を支援する。
- 企業の省力化のためのクラウド会計に関するセミナーの開催
- 生成AIの活用セミナーの開催
- エージェントAIなど最先端AIの活用セミナーの開催
- 会議所業務のデジタル化促進(AI活用、ペーパーレス化、SNS活用)
(3)創業支援の強化
事業及び資金・設備計画から創業後の各種手続きに至るまで総合的な支援を行い着実な創業を促進し、地域事業者の減少を最小限に抑制し、会員増加を目指す。
- 大曲創業塾 1月~2月
- 個別相談会の開催 2月
- 県、市創業助成金などの補助金の申請支援 通年
2.会員企業の維持存続に対する支援
(1)第3期経営発達支援事業による継続支援
5ヵ年更新の3期目を迎える経営発達支援計画は、これまでの各種調査、分析、販路拡大事業に加え、労働力確保、インバウンド対策などのセミナーも開催する。
- 景況調査の実施年4回(5月・7月・10月・12月)
- 経営状況の分析と事業計画策定支援(AIシステムの活用)
- 需要動向調査と需要開拓支援(各種商談会への出展と需要動向調査)
- インバウンド対策に係る外国人対応策、キャッシュレス等に関するセミナーの開催
(2)柔軟な金融支援の継続
物価高騰、賃上げによる経費負担の増加による運転資金確保、設備投資のための新たな資金調達、創業資金などに制度資金を活用し、会員企業の資金面での支援を行う。
- 秋田県・大仙市の融資制度の活用
- 日本政策金融公庫の小規模事業者に対するマル経融資の活用
- 経営改善に係る専門家派遣
- 各金融機関との連携による柔軟対応
「食」による観光振興・まちづくりの更なる推進
1.第6回商工会議所まつりの開催
体験を通した会員企業のサービス、技術の発信を中心とした企画に加え、引き続き「食」を充実させた取り組みを展開する。(5月17日開催)
- 「食」に関する販売等の拡充
- 参加型でのステージイベントの充実
- 商工会議所まつり夜の部の継続実施
2.大曲の「食」の名物への成長展開
- 商工会議所まつりにおける「オープンカツ」の販売拡充とPR充実
- 「オープンカツ」を提供する会員企業の発掘
- 「食」に係る会員企業のPR活動
3.継続的なまちづくり推進
新仙岩トンネル整備促進や大曲駅西口に関しての提言活動及び検討を継続する。
- 行政機関に対するまちづくりに関する提言活動
- 大曲駅西口に関する検討
商工会議所の機能及び財政基盤強化
1.職員の資質向上
事業者の多岐にわたる諸課題解決のため、支援する職員の資質向上を計画的に実施する。
- Web研修の実施
- 中小企業大学校での専門研修の受講(2名派遣)
- 県連主催の資質向上研修への参加
2.本部事業部Instagramによる各種行事の発信充実
昨年立ち上げた本部事業部Instagramは商工会議所事業を中心に発信を継続し検定や会員企業の紹介など市民向け情報も充実させる。
(1)商工会議所行事の紹介、発信
- 商工会議所まつり(5月17日)
- 第67回商工会議所野球大会(6月7日、8日)
- 移動商工会議所(6月)
- 大曲の花火ウィーク(8月24日・29日・30日)
- 会員大会(11月27日)
- 新春賀詞交歓会(1月上旬)
- 新入社員合同入社式(3月中旬)
(2)飲食店を中心とした会員企業の紹介
(3)簿記検定、珠算検定等の実務検定の情報提供
3.LINE公式アカウントによる情報発信と各種行事のGoogle活用
LINE公式アカウントの登録者数は300を超えた。会員企業への情報発信ツールとして引き続き登録者数の増加と有益な情報提供に努める。また、Google Workspaceを各種業務に活用しデジタル化を推進する。
(1)LINE公式アカウントによる各種情報発信と登録者数の増加
現登録者数337 令和7年度登録目標会員数500
(2)会議・セミナー等の出欠確認・アンケート等のGoogle Workspace活用
4.会員の加入促進
新規会員加入促進による財政基盤強化
年間加入目標件数 45件
5.共済制度の普及拡大
(1)年間加入目標口数 80口
(2)共済加入者への福利厚生の充実
・お祝い金、見舞金等の給付
(3)募集キャンペーンの実施
・会議所共済・福祉制度 春のキャンペーン(5月1日~6月30日)
・会議所共済・福祉制度 秋のキャンペーン(10月1日~11月30日)
花火振興事業部
花火ブランドの強化・拡充
1.大会運営の推進
(1)大曲の花火―春の章―
「新作花火コレクション2025 世界の花火・日本の花火」 4/26日開催
(2)第97回全国花火競技大会 8/30日開催
(3)大曲の花火―秋の章―「花火芸術祭」 10/4日開催
2.大阪関西万博Japan Fireworks Expoでの花火打上
会場 夢洲南側護岸(大阪府夢洲)
万博期間中(2025年4月13日~10月13日)に日本の花火技術と花火文化をPRする
3.若手花火師育成事業の実施
(1)シミュレーションソフトを使用した作品発表会実施による技術力の向上
(2)若手花火師プロデュース花火打上
若手花火師にプロデュースの機会を提供し、彼らの創造力と技術力を発揮させることで、新しい花火の魅力を創出し、花火文化の発展を図る
「お宿Onn大曲の花火」の利活用
1.「大曲の花火」出品業者宿泊施設「お宿Onn大曲の花火」
大会管理運営施設の有効活用
(1)開業スケジュール
・4月12日(土) 竣工式
・4月24日(木) プレオープン
・7月初旬 フルオープン(予定)
(2)利用促進策
・温浴棟の建設検討
・特別宿泊プランの設定
・大曲駅前への巡回バスの運行
・各種催事、イベントの誘致
・誘客イベントの企画
「大曲の花火」の国際化の推進
1.デジタルプロモーションの拡充
(1)公式アプリの充実
(2)多言語対応ウェブサイトリニューアル
(3)ソーシャルメディア戦略
2.BtoBミーティングの開催
(海外旅行会社との戦略的パートナリング)
(3)ソーシャルメディア戦略
2.BtoBミーティングの開催
(海外旅行会社との戦略的パートナリング)
(海外旅行会社との戦略的パートナリング)
海外の旅行会社と連携し、外国人観光客を増やすための協力関係の構築を図る
3.国際花火シンポジウムの誘致活動準備
令和10年誘致に向けての準備活動
第19回国際花火シンポジウム中国開催への参加 4月21日~25日