労働保険とは
労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。社会保険(健康保険・厚生年金保険)が、健康や老後の保障をするのと同じように、労働保険は、下記のような補償をする国の制度です。労働者を一人でも使用する事業主は、労働保険に加入することが法律で義務づけられています。
◎労災保険
・仕事中のけがや病気のとき
・仕事中のけがや病気のため働けないとき
・仕事中のけがや病気がもとで、身体に障害が残ったとき
・仕事中の事故で死亡したとき
・通勤途中の災害など
◎雇用保険
・労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するために必要な給付を行うものです。
労災保険
<労災保険の適用を受ける労働者>
労災保険法の適用を受ける事業に使用される労働者は、船員保険の被保険者を除き、すべての者が労災保険法の適用を受けます。
労働者であれば、常用、臨時雇、日雇、アルバイト、パートタイマーなどの雇用形態は関係ありません。
労災保険について
●全額事業主負担であり、臨時採用者(パート等)も対象となります。
●保険率は事業の種類によって異なり50余の区分に分かれます。(2.5/1000~88/1000)
雇用保険
<雇用保険の適用を受ける労働者>
適用事業に雇用される労働者であって、次のいずれかに該当する場合は、原則として被保険者となります。
被保険者の種類
1.一般被保険者(65歳未満の常用労働者)
2.高年齢被保険者(65歳以上の常用労働者)
3.短期雇用特例被保険者(季節的に雇用される者等)
4.日雇労働被保険者(日々雇用される者、30日以内の期間を定めて雇用される者)
◎失業した人の就職活動中の生活安定のために失業給付金が受けられます。
適用される事業所
「1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ、31日以上引き続いて雇用される見込みのある」労働者を1人以上雇用する事業所は、法人、個人を問わず、原則「雇用保険適用事業所」となります。
保険料の負担
令和5年4月1日~令和6年3月31日
事業の種類 | 保険料率 | 事業主負担 | 労働者負担 (失業等給付に係る保険料率のみ) |
---|---|---|---|
一般の事業 | 15.5/1,000 | 9.5/1,000 | 6/1,000 |
農林水産・清酒製造事業 | 17.5/1,000 | 10.5/1,000 | 7/1,000 |
建設業 | 18.5/1,000 | 11.5/1,000 | 7/1,000 |
令和4年10月1日~令和5年3月31日
事業の種類 | 保険料率 | 事業主負担 | 労働者負担 (失業等給付に係る保険料率のみ) |
---|---|---|---|
一般の事業 | 13.5/1,000 | 8.5/1,000 | 5/1,000 |
農林水産・清酒製造事業 | 15.5/1,000 | 9.5/1,000 | 6/1,000 |
建設業 | 16.5/1,000 | 10.5/1,000 | 6/1,000 |
※被保険者負担分について1円未満の端数が生じた場合は、
- ・
- 被保険者負担分を賃金から源泉控除する場合は、被保険者負担分の端数が50銭以下の場合は切り捨て、
50銭1厘以上の場合は切り上げとなります。
- ・
- 被保険者負担分は被保険者が事業主の方へ現金で支払う場合は、端数が50銭未満の場合は切り捨て、
50銭以上は切り上げとなります。
- ・
- ただし、慣習的な取扱い等の特約がある場合には、この限りではありません。
労働保険事務代行
労働者を一人でも使用する事業所は労働保険に加入しなければいけません。次のような事業主の方は、労働保険事務組合大曲商工会議所への業務委託をおすすめいたします。
・加入の手続き、事務処理がわずらわしい。
・人手不足で労働保険事務まで手が回らない。
・安定所・監督署が遠くて不便だ。
※手数料がかかります。
労働保険事務組合とは?
中小企業の事業主の事務委託を受けて労働保険(労働保険・労災保険)の適用・保険料の納付等の事務処理を行う秋田県労働局長の認可を受けた団体です。
事務委託したときの特典は?
- ・
- 労働保険の事務を事務組合が代行いたしますので、事業主の事務負担が軽減されます。
- ・
- 事業主や家族従業者も労災保険に特別加入できますので、労働災害の場合には保険給付が受けられます。
(特別加入制度)
- ・
- 労働保険料の納付については、額のいかんを問わず、3回に分割納付できます。
事務委託できる事業主の範囲は?
常時使用する労働者の総数が300人(金融・保険・不動産・小売業は50人、サービス・卸売業は100人)以下の事業主に限られます。
労災特別加入制度のご案内
特別加入制度とは
労災保険は、労働基準法でいう労働者を対象として、業務上の事由による災害や通勤途上における災害に対する保護を目的とする制度ですので個人事業主、家族従事者、法人の代表や取締役は対象となりません。しかし、中小事業主等は労働者とともに労働者と同様の業務に従事することが多いことなど業務の実情、災害の発生状況から見て、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる個人事業主や法人の代表などは特別に任意加入が認められています。これが、特別加入制度です。
特別加入の範囲
大曲商工会議所に委託し、特別加入できる方は以下に該当する場合です。
(1) 表1に定める数の労働者を常に使用する事業主(個人事業主、法人の代表)。
(2) 労働者以外で(1)の事業主の事業に従事する人(家族従事者、法人の代表以外の役員等)。
※労働者を通年雇用しない場合であっても、1年間に100日以上労働者を使用している場合には、常時労働者を使用しているものとして取り扱われます。また、原則として事業主本人の他、家族従事者や役員など全員が加入する必要があります。
表1 中小事業主と認められる企業規模
業 種 | 労働者数 |
金融・保険・不動産・小売 | 50人以下 |
卸売業・サービス業 | 100人以下 |
上記以外の業種 | 300人以下 |
加入の手続き
特別加入するためには、下記の2つの要件を満たし、秋田労働局長の承認を受けることが必要です。
(1) 雇用する労働者について保険関係が成立していること。
(2) 労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること。
加入には特別加入申請書を提出してください。申請書には特別加入を希望する人の具体的な業務内容、業歴及び希望する給付基礎日額などを記入する必要があります。